2000年代半ばからインターネット上で、漫画を投稿する人達が増えてきた。基本的には、自分のホームページに自作の漫画を投稿する形だったが、そこから漫画投稿サイトが出来てくる。その中でも「新都社」は初期WEB漫画業界を牽引していた。ここから、プロ漫画家となっていく人たちが排出されるわけだが、 とりわけネームバリューが大きいのは「天原（サークル...

　常識というされているものといえばなんだろうか？　例えば太陽は毎朝登るだとか、水は低きに流れるだとか、人間はいずれ死ぬだとか、そういう至極当たり前の事たちのことだ。ただ、ほんの少し前の時代には常識として、世界は「地球」を中心に動いていると当たり前に信じられていた。この物語は、そんな当たり前の常識を疑うところから始まる。   　ま...

昨今の異世界ファンタジーの流れは様々な文脈から語られるだろうが、特にわかりやすいのは「小説家になろう」発の書籍化・アニメ化の流れだ。この舞台設定が何故ここまで人気で、よく描かれているかという理由には、元々フィクションで描かれる際に、魔法という荒唐無稽な物を取り入れてやすい点や作中でご都合主義を異世界だからだと読者に受け入れられやすい事や細...

SFといえば、サイエンス・フィクションの略で知られているが、もう十年以上前から「SFファンの平均年齢は、1年経つごとに1つ上がる」と言われる程、SFファンの高齢化が進んでいる。   これは同時にファン層そのものが幅広くない事が言え、SFにはコアなファンはそれなりにいるが、そのニッチなジャンル故に、いわゆる「にわか」が少ない。SF...

この世で最も楽しい遊び相手　「よつばと!」   　自論だが、この世で最も面白い「遊び」を繰り広げているのは「子供」だと思っている。 どこかの誰かも「子供は遊びの天才だ」という言葉を残していたはずだ。   　そんな「子供」というものを完全に漫画の中に、創り上げた作品が本作だ。 　とにかく明るく楽しく、元気いっぱいで、それ...

　自らの手で「銃」を構え、獲物を仕留めたい。そんな欲求が私には割とある。ジビエ肉を頂く機会があると一度くらいはちゃんと自分の手で、最初から最後までその命を尊重し、頂きたいという願望が湧いてくる。   　また、どこかで物語で語られる、狩猟という行為の一片に触れてみたいと思ってしまう。   　そんな願望に現実を突きつけ、狩...

　本作はいわゆる百合ものと言われるジャンルの作品で、世間一般では正直そこまでは興味を持たれていないジャンルだろう。それなりに映画ではLGBT題材ものは見かけるようになってきたが、まだ一般的に読まれてはいないし、ややコアな世界だと言える。   　ただ本作は少年＆青年向け漫画雑誌の月刊コミック電撃大王に掲載されアニメ化も経て、一般層...

今回紹介する作家は、戸田誠二という漫画家だ。近年では、Web漫画は増えてきたが、出版社がWeb漫画を本格的に運営する前から、自身のサイトにWEB漫画を公開していたところ、デビューが決まった作家で、主に短編を得意としている。   今でも作者サイト「COMPLEX POOL」は見ることができ、そこで秀逸な短編を読むことができる。是非...

　漫画作品で、打ち切りになった作品は評価する事は難しい。そこには可能性が溢れていて、作品の風呂敷を急いで畳まなくてはいけなくなって、綺麗には畳めない容姿が伺える。   　これは少年誌では、残念ながら良くある事だ。ただ、打ち切りが決まってから、異様なまでに作品の質が跳ね上がった物もある。これは、それまでコントロールしていた作品説明...

　漫画家の藤子・F・不二雄先生と言えば、あの国民的人気を誇るロボットが出てくる作品、そうキテレツ大百科！！　・・・というのは若干厳しいが、知名度はかなりあるだろう。伊達にフジテレビ系列で、１９時台のゴールデンタイムに約八年間アニメをやっており、人気を博した。   　ただ、本作の漫画版を雑誌できちんと読んだことのある人は少ないと思...